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無題

ぬばたまの夜、私は絶望の中で柔らかな風に撫でられた。

あと少しであらぬ夢の中へと消え入るところだった私を
風は一瞬だが、確かに私を気にかけた。

私は本当は一人で立てることを知りながら、
生きることに悪態をついて、立たずにいたことを、風は見抜いていた。

そんな稚拙な私は、今、相変わらずぬばたまの宵に背をもたれかけているものの
やっと自分の足で歩くようになった。

風は今、私とともにあり、私を密やかに支えていてくれる。

by ryo-ta-n | 2009-05-26 00:43 | 雑記  

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