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枯れる

地に落ちた鐘は叩けども響かない。
こぼれ落ちる願いは鈍い音を立てながら、ただひたすらに叩き続けられる。
届かない想いは怒りへと変わり、この口は喉笛から魂を引きずり出したい衝動を放つ。
眼は虚をたたえ、見えないことへの安息が心を黒く塗りつぶした。

赤く黒い小さな拍動は、目指した光を絡めとろうとしている。

美しく咲く時はわずか。
散らずに残る花弁は面影を残さずして醜い。
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by ryo-ta-n | 2007-05-30 00:47 | 雑記  

詰まるところは

あの時、お前を車で送って、本当に言いたかった言葉は
またね、でも、
バイバイ、でも
気をつけて、でも
どれでもなかった。

決して俺に向かなかったお前の眼。
その眼を真っ直ぐに見据えて言いたかったのは、誰でも知ってる簡単な言葉。
その体を本当は抱きしめて、ただ一言で、この気持ちを伝えたかった。

そう、たった一言なのに、言えなかった。
笑ってるその顔が凍りつくかもしれないのが、俺には耐えられなかった。
お前が車を降りて、角を曲がって見えなくなって、それでも俺はお前の背中を追い続けた。


次はいつ会えるんだろうか。

次があるんだろうか。


俺は今、あの時の言葉を必死に殺しながら、お前の姿を街中に探している。
でも、会えたとして、いったい何を言うつもりなんだろう。
いったいどんな顔をするんだろう。
ここで後ろを向いて引き返したほうがいいんだろうか。



言えば言ったで誰かが苦しむ言葉。
言わなければ言わないで誰かが後悔する言葉。


愛してるとは、詰まるところそういう言葉。
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by ryo-ta-n | 2007-05-29 01:30 | 雑記  

対岸

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人で華やぐ対岸の港湾地区。
光の渦に金が消え、時間の渦に明日が押し寄せていく。
僕はかつてあの土地が好きだった。

今僕がいるのは、あの時あそこから見つめていたもう一つの港湾地区。
工場と倉庫、そして申し訳程度の木々があるだけ。
道行く人は少ない。

僕はあの対岸から随分と離れた、この港湾地区の一番先の公園にいる。
ここから眺める対岸は、あそこにいる時は見えなかった表情を見せている。
美しく立ち並んだビル群は、その背に遥か彼方の山々をたたえながら
すねたように同じ光をずっと放っている。


あそこは仮面をつけた本当は寂しい街なんだ。


もちろん今僕がいるここの地区はお世辞にも賑やかとは言えない。
でも、ここには飾らないそのままのこの街の顔がある。
冷たく強い塩風を受けて公園の柵は錆付き、
人は滅多に訪れないがために、ごみ一つ落ちていない青々とした芝生。
そしてこの公園を見下ろすクレーンの首。
誰にも媚びない、ただそこにある公園。



ここはどこまでも僕が素直になれる場所。
対岸の僕を思い出しながら、今の僕を抱きしめる場所。


今日もここから見える、落ちていく夕日は涙が出るほどに切なく、美しい。
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by ryo-ta-n | 2007-05-24 22:53 | 雑記  

境界年齢20歳

20歳を超えて純粋というのは、罪である。

20歳を超えて裏側が読めないのは、経験不足である。

20歳を超えて社交辞令の一つも言えないなら、自宅から出てはいけない。

20歳を超えて黒く染まるのを拒むなら、独りで生きるしかない。

20歳を超えて笑いながら人を刺せないなら、後は人に刺されるしかない。

20歳を超えて心が歪まないのなら、僕がなれなかった種類の「人」である。
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by ryo-ta-n | 2007-05-20 18:02 | 雑記  

今更なハナシ

あの時、あの人が僕の隣で口ずさんでいたあの曲。
あまりに私は幸せで、気にも留めていなかった。
あの時間、私達は確かに時を共有し、心を共有していた。
そう信じていた。

あの人は気持ちよさそうに口からあの曲を紡ぎながら、
私に一つのメッセージを投げてくれていた。
私はそのメッセージに気づくことが出来なかった。

なぜ私はあの時気づくことができなかったのだろう。
あの人の警告に。
あの人の未練に。
あの人の心の在り処に。
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by ryo-ta-n | 2007-05-18 05:29 | 雑記  

首筋

毎日はナイフ。
見えないナイフ。
僕の首筋にそっと口付けるナイフ。

僕がもしあがいたなら、命を容赦なく奪うだろう。
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by ryo-ta-n | 2007-05-16 04:44 | 雑記  

この手で

朝起きて、太陽に触れて
昼過ぎに公園の子猫を撫でてみる。

夕方には自分の心に触れて
真夜中に月をもぎ取ってみる。

昨日、思い出を遠くへ押しやって
明日、未来を明後日の方角へ弾き飛ばす。

今日、この手を見つめて
何を掴みたいのか、怒りに震えながら拳を握り締める。
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by ryo-ta-n | 2007-05-07 21:24 | 雑記