カテゴリ:雑記( 244 )

 

無題

命の萌える春に、もしも寂しいと感じるのならば
それは、出会いの向こう側で別れる定めを薄々ながらに感じたのでしょう

桜の花弁の彼方に鼠色の雲が流れ
ひばりの唄のさざめきに雪解けの響が隠れ
目の前に差し出された手を握った手と反対の手で
握っていた手を離さなければならない

それが春

懐かしきが新しきの苗床になる季節
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by ryo-ta-n | 2012-04-16 17:10 | 雑記  

無題

血肉が土に還るのならば
時の流れの中に魂は消えていきたい
誰にも思い出されることもなく
誰からも惜しまれることもなく

けれど、縁を結んでくれた人々と
命を包んでくれた景色を
わたしがなくなるまでは
惜しみ、感謝しながら
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by ryo-ta-n | 2012-03-25 02:18 | 雑記  

無題

知らない土地へ行き
知らない人と話す
知らない世界が拓けていく

知らない土地が懐かしくなり
知らない人が親しくなる
知らない世界から離れられなくなる

懐かしい土地に戻れなくなり
親しい人が遠ざかっていく
知ってしまった世界が冷たくなる

何で惜しかろうか
どうせ知らなかった世界だもの
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by ryo-ta-n | 2012-02-15 03:06 | 雑記  

無題

雪が積もる

凍った心の上に積もる

形だけ残った記憶の上に積もる



真っ白な雪が降る

重く深い夜の中に降る

時の止まった心の中に降る



このまま降り続いて

せめて熱い涙がこぼれないように

今しばらくは、穢れのない白の下で眠らせて
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by ryo-ta-n | 2012-01-24 04:31 | 雑記  

無題

今日が間引かれて、明日が育っていく

過去が間引かれて、未来が芽吹いていく

間引かれた時間は、想いを描くための苗床になる



どんなに大切に想った人も、場所も

昼と夜を繰り返すうちに静かに欠けていく



冬はいつも秋に輝いた命を迎え入れるための季節

冬はいつも春に歩き出す命を送り出すための季節

降り積もる雪は、全てを白く包んでいく



どんなに留めておきたかった足跡も、後姿も

音さえも飲み込む白に覆われていく



師走、大晦日、年の末

また一つ暦が千切られる

明日へと向かって
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by ryo-ta-n | 2011-12-25 16:31 | 雑記  

無題

ああ、すっかりと私も老けてしまった



青く滾っていた頃に

必死に払いのけようとした

憧れとも嫉妬とも分類できない

何かだけが

今、私のことを鏡越しに

じっと見つめている
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by ryo-ta-n | 2011-12-10 06:12 | 雑記  

無題

日毎に机の飴色が温もりを増す晩秋。

そろそろと正直な気持ちを綴っては、
届かない手紙だと屑籠に投函する。

思い浮かぶ北の国は、山も、庭も、城も、
見事な紅に燃えている頃だろう。

何をして、何を考えておいでだろうか。

息災たれ。
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by ryo-ta-n | 2011-11-18 04:46 | 雑記  

無題

言葉も通じぬこの地で

星の降る夜に

流れた星の軌跡を追って

私は願をかけた





一つは貴方の息災を

一つは貴方の記憶に残ることを

一つは私が迷わないことを





長い時間をかけて探した

私のできることは

夜の深い空に

流れ、そして、溶けていった
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by ryo-ta-n | 2011-10-28 16:20 | 雑記  

無題

どこまでも続く、蒼い蒼い海が描き出す地平線が
どこまでも続く、青い青い空が描き出す地平線と
どこまでも追い続けても触れ合うことがない

それでも、追いかけていく毎日
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by ryo-ta-n | 2011-10-24 16:58 | 雑記  

無題

秋茜

曼珠沙華

明けの朱

紅葉


一つずつ、秋が深まる

少しずつ、季節が元の座に還る


どう凌いだものかと、暮る秋

埋火のように静かな、緋の秋
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by ryo-ta-n | 2011-10-04 06:54 | 雑記