カテゴリ:雑記( 244 )

 

無題

いずこへ消えたのだろうか

帰ろうとした場所、帰ろうとした時間

今となっては思い出すこともできない

帰ろうとした場所、帰ろうとした時間



ひどく求め続けるあまりに

求めていたものを忘れて

きりなく求めることだけが続く



傍にいて、思い出させて

帰ろうとした場所、帰ろうとした時間


傍にいて、思い出させて

隣にいた、あなたのことを


傍にいて、終わらせて

一人だけの隠れん坊を


傍にいて、背中を押して

新しい一歩を踏み出させて
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by ryo-ta-n | 2013-04-11 03:47 | 雑記  

無題

終わりを告げる鐘が鳴る

あなたを道連れにして

僕が溶けていく


夢の中へ





光の刺す方角へ

夜が流れていく

おやすみの声が思い出せない


夢の中から





還りたくない





月が霞に隠れていく

打ち寄せる始まりが

敷き詰めた闇を引きはがす


夢の外でさえも





たとえ夢で尽きて

この手に残るものが何もなくても

僕は感じていた

あなたを
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by ryo-ta-n | 2013-03-22 03:21 | 雑記  

無題

冬払う春の嵐

闇夜に舞う重たい雨

牡丹が首から落ちて

桜が秘めやかに開く



始まりの季節は

いつも古きを贄に

容赦なく匂い立つ
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by ryo-ta-n | 2013-03-21 02:58 | 雑記  

無題

木の芽雨
梅香 春告げる

東風
桃 遅れて開く

春霖
花弁 地に離る


蕗の姑 冬剥がれ落つ


日は一日と長くなりにけり
後幾度かこの柔らかき時に包まれん
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by ryo-ta-n | 2013-03-10 22:28 | 雑記  

無題

午前5時41分
北の街の夜に
しんしんと雪が降りてくる

灯りと人影の薄くなった
夜の一番濃い時間


午前5時58分
はだれ雪を同行者に
酔い覚ましの帰路に就く

古い橋の下で
雪しろが鈍色に映える


午前6時28分
同行者も天に還った
迷子のようにただ歩く

夜が明ける
一人の時間
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by ryo-ta-n | 2013-02-26 00:16 | 雑記  

無題

今まで書いてきたものを
読み返してみるということは
全くしてこなかった

今日、初めて読み返したそれは
苦しかったり、悲しかったり、あるいは嬉しかったりした
その時その時のありのままが
少なくとも僕には痛いほどに
ほんの数行の中に溢れそうなほど
詰まっていた

特に精進はないし
特に変わったことも書けなかった

それでも、だからこそ
どこまでも広がる過去の奥行に包まれる
そんな読み返しだった
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by ryo-ta-n | 2013-02-25 23:34 | 雑記  

無題

重たい雪が降る

白く、先が見えなくなる


全てが押しつぶされる



白き先から花が香る

寒さに切られた蕾から


全てが懐かしい



真白な目蓋の裏側で

涙に溶けた記憶が

ゆっくりと鮮やかに蘇る



心、乱れるな

抱きとめたものは、今

古き白を塗り重ねて

まだ見ぬ白を成し始める
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by ryo-ta-n | 2013-01-18 22:58 | 雑記  

無題

全ては気の迷い


飲み干すのが惜しくて

ちびりちびりと

空けたグラス一杯分の夢


全ては酔いの夢の中


干してしまえば声も夢

空けてしまえば姿も幻

残ったのは冷たいグラス


全ては宵の闇の中
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by ryo-ta-n | 2012-11-02 02:03 | 雑記  

無題

遠くで雷が光る
なにも見えなくなっていた夜に
ほんの一瞬だけ
隠れていた全てを呼び起こす
忘れていたこと全てを呼び覚ます

忘れようとして、忘れられず
捨てようとして、捨てきれず
それならばと文字にして夜毎沈めても
結局は、すぐそこ、胸の内に
形を、匂いを、温もりを変えずに
ただただあり続ける

夏が止まる
雨の中で全てを浮かび上がらせて
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by ryo-ta-n | 2012-09-12 02:11 | 雑記  

無題


虚ろな昔に色めいた

牡丹
音もなく煙草の煙の中で開いた

松葉
闇の中で裸の僕を突き刺した


寄りかかれないくらいに不確かだった

散り菊
小さな熱い灯りが落ちた


線香花火が忘れられない

鬼火と罵られたとしても、愛おしい華
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by ryo-ta-n | 2012-08-27 23:45 | 雑記