詰まるところは

あの時、お前を車で送って、本当に言いたかった言葉は
またね、でも、
バイバイ、でも
気をつけて、でも
どれでもなかった。

決して俺に向かなかったお前の眼。
その眼を真っ直ぐに見据えて言いたかったのは、誰でも知ってる簡単な言葉。
その体を本当は抱きしめて、ただ一言で、この気持ちを伝えたかった。

そう、たった一言なのに、言えなかった。
笑ってるその顔が凍りつくかもしれないのが、俺には耐えられなかった。
お前が車を降りて、角を曲がって見えなくなって、それでも俺はお前の背中を追い続けた。


次はいつ会えるんだろうか。

次があるんだろうか。


俺は今、あの時の言葉を必死に殺しながら、お前の姿を街中に探している。
でも、会えたとして、いったい何を言うつもりなんだろう。
いったいどんな顔をするんだろう。
ここで後ろを向いて引き返したほうがいいんだろうか。



言えば言ったで誰かが苦しむ言葉。
言わなければ言わないで誰かが後悔する言葉。


愛してるとは、詰まるところそういう言葉。
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by ryo-ta-n | 2007-05-29 01:30 | 雑記  

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