点滅灯

切れるような冬の夜、焼け焦げたような闇の中、
遠くに見える幾つものビルの点滅灯が赤く浮かび上がる。
大きな輪郭を黒い空気の中に浮かびたたせるそれは、
まるで身に降りかかる災難を避けるためのものではなく
自らに全てを誘引するための光に見える。

多くの人はその灯かりの元へと引き寄せられ
寄る辺なきわが身を恐れて互いに寄り添い、
そしてまた別れていく。


どうだろうか。
思い出せるだろうか。
私も昔はその灯かりの中を目指していた蛾のような存在だったことを。

久しく夜の片隅で独りでいた私から
もう誰かを求める心は消えてしまったのだろうか。
暖かななにかに抱かれる夢は今ではもうないのだろうか。




私の目にあのビル街はもう必要ない。
私の目にもうあの赤い光は見えていない。
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by ryo-ta-n | 2007-01-06 02:13 | 雑記  

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