未読

人にはあまり言うことはないし、言う必要もないが、実は本をよく読む。
社会批評、技術、風俗学、哲学、How To本、何でも読む。
中でも小説をよく読む。
電車の中で、トイレの中で、暇つぶしでと
お手軽な本と、お手軽な読み方が蔓延しているようだが、かなり集中して読む。

手を伸ばせば本の中のものに触れられ、
目を閉じれば登場人物に重なることができ、
耳を澄ませば情景の中の全てが聞こえる。

そのくらいに集中して読む。



でも、最後まではなかなか読まない。
正しくは、読めない。
最後の数ページまでくると読めない。
どうしても、ページがめくれなくなる。

先が読めている、などということはない。
そんなに頭も良くない。

最後のページ、そこに待っているのは間違いなく「終わり」だ。
心の中に確かに形成したその世界を、最後のページは壊してしまう。
終わるのが怖い。
自分が消えるのが怖い。


俺の部屋の本棚には、最後の数ページだけがまだ開かれていない本が、
何冊も何冊も再び開かれる時を待っている。
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by ryo-ta-n | 2006-09-14 00:11 | 雑記  

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