漂流

僕の右手で罪状を、僕の左手で凡庸を、
それぞれを握り締めて、僕はあの日この海へと出た。

この忸怩たる時間にまみれた日々は、
僕の心を決して許しはしない。
贖罪の権利も、弁解の場も、全てを放棄して、
この海は果てることなく僕を攻め立てる。

時に高波で、時に濃霧で、凪の時でさえ僕の記憶を呼び起こし、
終わった過去を刃に変えて僕を攻め立てる。



美しい程に容赦なく。



寄る辺なきこの船は、崩れてしまえばと思うも、
忌々しいほどに乗り手が気丈で沈むことはなく、
しかし舵を取れるほどの術は持ち合わせておらず。

この船が海から岸辺へと引き上げられるのは、
海を作り上げたその過去が、涙を枯らしたその時と期待して、
僕はまた方角が分からないままに、この船で航海を続ける。



あてどなく、あてどなく。
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by ryo-ta-n | 2006-07-19 02:27 | 雑記  

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