カネノツカイカタ

今日俺の後ろの席のボンボンが、
キャンパスの前の道路に停まっていた高級車を見て一言言い放った。


「このパーツ改良するなんて、金の使い方間違ってるよなー、俺ならこっちのパーツ変えるけどね」


生憎、俺は車に全然関心がないので、どこを改造するとどうなるのかは微塵も知らない。
でも、「金の使い方」という一言にひっかかった。


じゃあ、アンタなら分かるっつーのかよ?


口には出さなかった。
出すだけの勇気がなかった。
そいつに嫌われるのが怖かったわけじゃない。
自分がそのセリフを吐けるだけの資格があるか自信がなかった。

正しいお金の使い方ってなんだ?
高くて美味い飯を食うことか?
安くて美味いものを食うことか?
思い出つくりの旅行に捻出することか?
お洒落な服を着ることか?
家を建てることか?
好きな人にプレゼントを贈ることか?


人によって勿論違うだろう。
でも、いくつか、話を聞いて欲しい。


俺が朝キヨスクでガムを買うのに使われるのと同じお金で、貧困国の人の命が数人救われる。
アンタが喫茶店に入って飲むコーヒーと同じお金で、一か月分の飯を食える人間がこの世にいる。
先進国の一晩で光るネオンは、貧困国では一年分以上の学費になる。


金ってなんだ?
きたないものなのか?
甘い蜜に見える毒なのか?


貧困国ではナゼ人が子供を産めるのかすら分かっていない。
HIVという存在も知らない。
産んでは子供が死に、先進国から見ればゴミ捨て場と称するヤツもいるような場所で
明日の分からない毎日を過ごしている。

先進国ではイタズラに子供を降ろす。
HIVの存在を知りながら、リスクの高い性交を試みる。
倒れたってまず病院には入れてもらえる。


生まれた国でこんなにも人が掴めるものが違うのはナゼだ?
生まれた国で持てる金の桁数が違うのはナゼだ?


俺たちは実はモノが見えていない。
少し調べればいくらでも見えてくるものを見ようとはしない。

悪いとは言わない。
腕に白い輪っかをこれみよがしにつけるのも悪くはない。

口では可哀想といいつつ、いざ貧困国の人間に会うと上から見下ろす眼も非難しない。
金だけ投げるように寄付して、その後の経過を見ないのも批評しない。


人が幸せであるのは構わない。
でも、その裏に何があるのか、透明な壁の向こうの惨憺たる光景をもっと知るべきだ。
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by ryo-ta-n | 2005-12-16 02:07 | 雑記  

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