無題

気が付くと空を見ている

抜けるような青い空でも
吸い殻色の曇空でも
溜息と安堵の入り混じる雨空でも
どんな空でも、見上げている

迷子であることを否定し続けた迷子は
帰り道を探して今日も空を見ている

もといた場所はどこなのか
抱きしめてもらいたい人の所在はどこなのか
果ては自分が今どこにいるのか

日が昇り、日が暮れて、季節が巡り、年を重ね、少しずつ全てが変わっていく

青嵐の薫る頃に雨露に撫でられながら、
遙けき冬に残してきた記憶が、もう消えてしまった帰り道のあった場所を
今更ながらに埋められない心の洞に、知らないうちに届けてくる

遠い遠い、昔の話
遠い遠い、迂路の話
遠い遠い、それでも忘れられない昔の話
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by ryo-ta-n | 2011-05-28 02:10 | 雑記  

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