歳を重ねて
きっと自分の寿命の
半分あたりにまで来て
傷つかないように
随分と諦めやすくなった
そう思っていたけれど
進学だとか
就職だとか
いろんな人生の分岐点で
それまでの縁を尽く断ち切れる道を
いつも選んでいたことに
気がついてしまった
諦めない時代があったのではなく
逃げることすら諦めて
ただただ自分ではない誰かを
演じているだけではないのか
本当の自分なのか
欺瞞に埋もれた自分ではないのか
星も月も見えない夜に
隠れる場所だらけの晩
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by ryo-ta-n
| 2020-05-28 19:25
| 雑記
ゆっくりと傷をなぞる
触れた指先の生暖かさが
開いたことを
他人事のように覚える
ゆっくりと傷をほじる
指先にこびりついた膿が
昔に起きたことを
無理矢理にやり直させる
それぞれの時に
それぞれの人と
しっかりと結ばれていた縁が
傷を内側から閉じていたことを
溢れた涙で洗いながら
ゆっくりと思い返す
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by ryo-ta-n
| 2017-08-11 00:25
うまく飛べない人間だと
自覚していたつもり
けれど、本当はうまく飛べないんじゃなくて
飛べない人間だった
その場で跳ねていただけの人間だと
気がついてしまった
よくつまずく人間だと
自覚していたつもり
けれど、本当はつまずいていたんじゃなくて
降りることのできない人間だった
一人舞い上がって高い所に登って
そのまま降りられないのだと
大して高くもないところ目指して跳ねて
大して高くもない所からずり落ちて
もがいているだけの
そんな人間
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by ryo-ta-n
| 2017-07-08 00:30
揺り起こさないで
眠らせた人懐かしさを
呼び覚まさないで
忘れかけた人の温もりを
掻き乱さないで
捨てきれなかった希望を
もし消えてしまったら
その時だけでいい
私だけを抱きしめて
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by ryo-ta-n
| 2016-11-09 07:13
本分を思い出せ
私は当事者ではなく、観測者
本懐を思い出せ
なにかを渇望するのではなく、全てを手放す世界
記憶と記録を頼りに
事実だけが交差する世界
安寧と、安息と、安堵を
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by ryo-ta-n
| 2016-10-27 19:04